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125: 戦後80年、日本の大問題(4)

11/10/2025

 
【大学受験】
人権意識を育む「教育と多様性」は、事実に裏付けられたエビデンスをベースとして、自分の頭でしっかりと考えられる・更にはそれを行動に移す能力を身につけることを、最も重要としています。それらが備わった環境で学ぶことが、「保守的な発想」から抜け出し、「リベラルな発想」へのきっかけをつくります。
 
そこで、日本の教育を見てみましょう。
 
ひと言で表すと、日本の教育制度は教育委員会を通して「国が教えたいことを、国が教えたいように」教育するシステムです。[詳しくは#25]
 
その日本の教育は、記憶力ベースの能力を身に着けるには、とても優れています。元をたどれば、約2000年前に中国から日本へ伝わってきた記憶力ベースの漢字システムや、2500年前の中国に生きた孔子の教えが、儒教として、日本を含むアジア広域に受け入れられた歴史に起因するのでしょう。
 
「優れた指導者に従い、生きなさい」とする儒教の基本的な教えをもとに、庶民は自分の頭で考えるよりは、むしろ考えない方が、「優れた指導者たち」の指示に従ってくれる。それに適しているのが、記憶力ベースの教育になってしまったようです。
 
例えば、戦後の焼け野原からの復興を支えた高度経済成長期において、そこそこな商品を低コストで大量生産するには、この教育は最適でした。「優れた指導者たち」とされる政治家から、企業トップへ指示が下りて、その指示通りに動く労働者が大勢必要とされる時代だったからです。
 
とても残念なのは、時代は移り変わり、世界はどんどん進歩しているのに、日本の教育はそこからあまり前進していないこと。良くても・悪くても「昔ながら」を保守するのに固執しているとも言えるでしょう。
 
そして、寝る間も惜しんで塾に通い、ひたすら詰込み型の暗記が得意な学生を「自頭が良い」とか「知識豊富」などと高評価する、記憶力ベースの大学受験。「受験には役に立たないから」とされる活動はほぼ切り捨てられ、もっと幅広い社会活動から学ぶことによって身に着けられる知的・情緒的・社会的・創造的といった多角的な能力が習得しづらくなる。
 
なので、事実に裏付けられたエビデンスをベースにできず、自分の頭でしっかりと考えられない・行動に移せない人を育てがちになる。
 
それとは対照的なのが、アメリカの都市部で広く受け入れられるホリスティック教育です。
 
ひと言で表すと、アメリカの教育制度は学校ごと・教師ごとにカリキュラムを作る自由度が高い教育システムです。
 
それゆえ、同じアメリカ国内であっても、都市部で広く受け入れられるホリスティック教育と、地方・田舎で受け入れられる教育が、まったく違うという事象が起こります。
 
ホリスティック教育で、とても重要とされているのが、学校の成績や共通テストの点数のみならず、課外活動・部活・ボランティア・インターンシップ・起業など、社会活動です。単なる見せかけではなく、実質の伴った経験が、大学受験での高評価にもつながります。
 
ここに、性別・人種・民族・出身・家庭環境など、多様性を歓迎する環境で学ぶことを加えたのが、インクルーシブ教育です。
 
多くのアメリカの大学が、世界中から多彩な背景の人たちを歓迎する環境を整えようとするのは、インクルーシブ教育を大切にするからこそ。
 
「けど、学校の成績・共通テストの点数が高い人を落として、低い人を合格させるのは、不公平でしょ。」記憶力ベースの大学受験が公平だとする人たちから、よく聞かれる意見です。
 
けれども、ホリスティック教育は、学生の評価は成績・点数だけでは測れないと理解します。
 
ほんの一例に過ぎませんが、たとえば、経済的に困窮する家庭で育つ学生は、親が朝早くから夜遅くまで働いて、やっとの思いで日々の生活が保てることも多い。なので、家計を助けるためにバイトに明け暮れ、幼いきょうだいの面倒をみるのに長時間かかり、とても、優れた塾に通ったり、優秀な家庭教師に教わるような、時間もお金もない。
 
他方、経済的にゆとりのある家庭で育つ学生は、生活面は親がすべて整えてくれて、優れた塾に通ったり、優秀な家庭教師に教わるような、時間もお金もある。
 
そもそも、経済的に困窮する家庭で育つ学生の成績・点数が低くなりがちな社会構造になってしまっていることを、インクルーシブ教育は理解します。ですので、一律的な基準ではなく、それぞれの学生の状況・個性・人格を、できる限り捉えた評価を目指します。
Picture
「公平な選考のために、全員に同じ試験を受けてもらいます。あの木に登ってください。」
(作者:不明)

 
日本と​アメリカの都市部における大学受験がこれほど違うと、小中高校で教える内容も、取り組む姿勢も違ってくる。また、教師自身の育成方法・教え方・考え方にも違いが生まれます。
 
インクルーシブ教育を大切にする程、もっと幅広い知的・情緒的・社会的・創造的といった多角的な能力を意識して育むようになります。
 
そして、大学入学前の段階で既に、学生たちのもつ人権意識・多様性への寛容さ・社会活動への積極性、さらには事実に裏付けられたエビデンスをベースとして、自分の頭でしっかりと考えられる・それを行動に移す能力にも違いが生まれがちになる。
 
それらが「保守的な発想」から抜け出し、「リベラルな発想」へのきっかけをつくる。
 
これが、アメリカの都市部が圧倒的にリベラルなのと比較して、なぜ、世界的大都市と呼ばれる東京は圧倒的に保守なのかの、最大の理由でしょう。
 
次回は、データを用いて、この考察をより深めたいと思います。

続きを読む:戦後80年、日本の大問題(5)【インクルーシブ経験】
前回を読む:戦後80年、日本の大問題(3)【教育と多様性】

同じテーマを読む:多様性/インクルーシブ

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    JOE KIM
    Retired from business at age 34. Now, an active supporter of inclusive initiatives globally.
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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