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127: 戦後80年、日本の大問題(6)

1/10/2026

 
【集まらない原因1】
アメリカの都市部が圧倒的にリベラルなのと比較して、日本・東京およびアメリカの地方・田舎が圧倒的に保守なのは、インクルーシブな経験の違いが、最大の理由です。以下は、エリートと呼ばれる大学における学生の割合。
 
外国籍・移民:
  • 米国:約57~71%
  • 日本:        2~16%
 
人種:
  • 米国:約20~30%がマジョリティ
  • 日本:     99%超がマジョリティ
 
日本における外国人留学生の最多は東大で16%。移民については、データが存在しない程ごく少数。 [詳しくは前回]
 
この事実を知ってか知らずか、少なからぬ人たちから漏れ聞こえてくる意見がこちら:
「東大は外国人じゃなくて、日本人をもっと入れてあげればいいのに。」
 
しかも、自分自身や自分の子どもはアメリカなど、外国人留学生を積極的に受け入れてくれる恩恵に預かった人たちでさえ、このように主張するケースが散見されます。
 
けれども、見ての通り現実は、日本のエリートと呼ばれる大学ですら、世界中から学生があまり集まらない。もしかしたら実際は、それほど集めようとしていないのかも知れませんが、大学側の情報を見る限りにおいては、とても熱心に集めようとしている様子が伺えます。
 
それでは、なぜ、集まらないのか。
大きな原因は、主に二つでしょう。
 
[原因 その1]  就職・生活へのつながりが乏しい
世界中の学生たちを引き寄せる大学では、インクルーシブな教育・環境がとても大切にされています。そして、インクルーシブな環境とは、もちろん卒業後も、その国で就職・生活へとつなげられることを含みます。
 
特に最近の大学生たちは、卒業後の就職に並々ならぬ関心を寄せているので、大学を選ぶ際にも、就職を前提に決める傾向が高い。さらに就職は、社会人としての人生をどの場所でスタートさせるのか、基盤をどこで構築するのかに、大きな影響を及ぼします。
 
そのため、移民を多く受け入れる国は世界中の学生たちにとって、とても魅力的。
 
そこで、以下のデータです。
 
移民の受け入れ (カッコ内は人口の割合):
  • 米国:約5,063万人(15%)
  • 日本:          277万人  (2%)
 
日本はたった2%。インクルーシブな国々と比較すると、あまりに排他的と言わざるを得ない [詳しくは#109] 。
 
この事実を知ってか知らずか、少なからぬ人たちから発せられる声がこちら:
「外国人だらけだ!」
「中国人に乗っ取られる!」
「日本が日本でなくなってしまう!」

 
世界の実情を知ったならば、あまりにも浅はかです。残念なことに、自分自身や自分の子どもはアメリカなど、外国人を積極的に受け入れてくれる恩恵に預かった人たちでさえ、このように主張するケースが散見されるのです。
 
また、外国人を脅威と捉えて、保守的な発想で恐怖心をあおる:
「外国人が増えたせいで、犯罪も急増してる!」
 
けれども、警察庁でさえも、そのような事実はないと発表しています。ここでも、事実に裏付けられたエビデンスをベースにできず、自分の頭でしっかりと考えられないことが、問題の根底にあるようです。
 
もっとも、都会のコンビニなどで働く技能実習生たちを中心として、近年、日本において外国人が増えているのは事実。けれども、それは少子高齢化により、仕事を担ってくれる人たちが減っているから。日本社会を安定的に回すための労働力確保として、誰よりも日本に住む人たちにとって必要不可欠であり、有難いことなのです。
 
それでも、先進国と比較すれば、ほんの少し増えた程度。
 
しかも、「技能実習制度」とは名ばかりで、特別な技能を教えるのは殆どなく、人気があるとは言い難い仕事を低賃金でしてもらい、転職も許されず、しかも数年で日本から追い出される。また、現代奴隷制と呼ばれるほど悪質なケースも目立ち、「育成就労制度」への移行が決まりましたが、これも人びとの保守的な発想が変わらなければ、名ばかりに終わってしまうリスクが高い。
 
話を元に戻しますが、もし、このような日本社会、移民をあまり受け入れない国で就職したら、せっかく日本で人生の基盤を構築し始めたのに、数年で追い出される。それは、仕事や住居のみならず、人や地域社会とのつながり等、ほぼすべてをやり直すことを意味します。
 
そのような不安を前提とした日本へ留学するのは、世界中の学生たちにとって魅力的とは言い難いでしょう。
 
現在のトランプ政権は、アメリカを日本のような国にしたくて仕方がないようです。それは、人種・民族的な圧倒的マジョリティが支配する社会を目指すもの。そのためには、移民を減らし、外国人留学生を減らす。難民であろうが、家族を引き裂こうが、非正規滞在者を厳しく追放することをためらわない。
 
そのような保守的な政策が、アメリカで強行されてから僅か1年。既に、世界中の学生たちがアメリカへの留学を敬遠し始めています。ここからも、いかに就職・生活へのつながりが、学生たちにとって重要なのかが伺えます。
 
次回は、二つ目の原因を考察したいと思います。

続きを読む:戦後80年、日本の大問題(7)【集まらない原因2】
前回を読む:戦後80年、日本の大問題(5)【インクルーシブ経験】

同じテーマを読む:多様性/インクルーシブ

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    Author プロフィール

    JOE KIM
    Retired from business at age 34. Now, an active supporter of inclusive initiatives globally.
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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