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#22: 謝罪、そして、つぐない(第2回)

1/18/2018

 
【心の傷】
現在の慰安婦問題における、このあまりにもお粗末な混乱は、被害者である元慰安婦やその家族との意思疎通を、韓国政府がおろそかにしたことが主因です。国家政府として、他国政府と合意をするのであれば、傷を負った人たちに、しっかりと向き合い続ける責任があります。
 
そして、韓国政府がその責任を果たさずに混乱を招いたのは、今回が初めてのことではありません。戦後20年が経った1965年に、日韓両政府により締結された「日韓基本条約」があります。その条約の一部として、合意した在日問題。在日問題とは、主に、日本が韓国を植民地化した1910年から1945年まで、劣悪な環境での強制労働や差別などで苦しめられた、日本在住の韓国人を巡る、人権侵害問題のこと。この問題も、被害者である在日韓国人との意思疎通をおろそかにしたまま、日韓政府間の金銭の授受で「永久解決した」としました。
 
今回の慰安婦問題の合意と混乱は、前回の悲劇から、何も学んでいないことを示しています。そのようなことから、韓国政府は、とても愚かではないでしょうか。
 
一方で、政府間の金銭の授受で「永久解決」を、またもや図ろうとした日本政府にも、慰安婦問題の現状について、少なからず原因があります。戦時中、日本政府や日本軍が組織的に、慰安婦とされた女性たちの人権を侵害してしまったのは、悲しいことに事実です。その傷を負わせてしまった被害者と、誠意をもって向き合い続ける責任は、加害者である日本政府には当然にあります。
 
それにもかかわらず、他国政府の愚かしさを利用するような合意を、在日問題とほぼ同様にしてしまったこと。そして、合意の後は、加害者責任は果たしたとして、今後一切の責任は他国政府と被害者だけのものだとしてしまっていることも、在日問題とほぼ同じです。それは、とても浅ましい行為ではないでしょうか。
 
傷を負った人たちの同意なくして、政府間の勝手な金銭の授受で「永久に解決しました」と言われて、あなたやその大切な人が被害者であったなら、納得できますか。問題の根源は、心に深い傷を負った人たちが同意していないまま、お金で「永久解決」を図ろうとした政府や国家権力者たちではないでしょうか。
 
そして、深い傷を負った人たちに寄り添うよりも、その政府や国家権力者に同調することを選択してしまっている多くの人たちも、また、問題の一旦を担うことになってしまいます。
 
「お金をもらっておいて、何を今さら」と言う人もいるでしょう。もちろん、政府と被害者の意思疎通がおろそかにされたまま、他国政府からお金を受け取り「永久解決」の合意を、またもや図ろうとした韓国政府は、声を失うほど、極めて浅はかであり、とても愚かです。しかし、合意することを決めたのは政府や国家権力者です。そして、それによってまたもや被害にあっているのは、既に傷を負った人たちだということを、忘れるわけにはいきません。
 
そして、たとえ、そのお金がいくばくか被害者に配られたとしても、そもそも、人権侵害はお金で解決できるものではありません。そこには、心に深い傷を負った人たちの悲痛な叫びや、生々しい感情があり、それは決してお金で癒えるものではありません。
 
癒えるような謝罪やつぐないの後に、せめてもと金銭の賠償を被害者が望んでいるのなら、納得もできるでしょう。しかし、今回の慰安婦問題の合意にしても、前回の在日問題の合意にしても、被害者にとって癒しのない、心の寄り添いのない、政府間の金銭の授受になってしまっています。そこに、これら合意の不誠実が、存在しているのではないでしょうか。
 
それでは、どうすればよかったのでしょう。どうすれば、被害者にとって癒しのある、心に寄り添った、解決ができるのでしょう。それらを考えるにあたり、先ずは、慰安婦にかかわる事実関係を、しっかりと把握することが重要ではないでしょうか。
 
戦火の中、多くの人が命を落とし、その人たちの証言は、永久に失われてしまいました。戦時中の空襲などにより、日本に存在していた多くの資料も、失われてしまいました。また、日本政府は敗戦に際して、連合国軍からの戦争犯罪の追及を逃れようと、たくさんの公文書を破棄・焼却してしまいました。そして、今日において現存する戦争関連資料も、その多くが日本政府により、未だに非公開とされています。戦後47年が経った1992年から一年間ほど、日本政府はその現存する資料を調査しました。その調査から、日本政府や日本軍が組織的に、慰安婦とされた女性たちの人権を侵害してしまったことが、疑う余地もなく、確認されたのです。しかし、それまで日本政府が長きにわたり、否定していた事実が確認されたにもかかわらず、調査は打ち切られました。
 
そのような状況下にもかかわらず、多くの事実関係が、少ないながらも公開されている日本政府の資料、アメリカ・オランダ・オーストラリア政府を含む他国政府の資料、そして日本の元軍人や政治家、さらには兵隊と共に戦地に行った医者の証言・手記・当時の日記をもとに、明らかにされています。「慰安婦問題は、一部の韓国人や中国人学者によるでっち上げだ」とする声を聞くこともありますが、これら多くの事実関係は、日本人・アメリカ人・オランダ人・オーストラリア人を含む、世界中の学者たちにより調査され、発表されている結果であることを、否定はできません。
 
それらにより明らかにされている事実は、従軍慰安婦とは、性奴隷にされた女性たちだったという事実です。日本政府や日本軍によって慰安婦とされた女性は、総数で5万人から20万人と推定されており、少なくとも11カ国の女性たちが、このおぞましい被害にあっています。そのほとんどが、韓国人・中国人・日本人を含むアジア系の女性たちですが、オランダ人の白人系女性たちも被害にあっています。
 
大多数の女性たちが、暴力的に連行されたり、誘拐されたり、炊事掃除係だとだまされたり、ひどい親に売り飛ばされたりして、戦地にある劣悪な環境に入れられたのです。その中には、まだ14歳にもならない子供たちもいました。また、貧しさのどん底で、極貧や飢えに耐えかねた女性が、志願したケースもありました。
 
あなた自身のことのように、想像してみてください。
 

通常3畳ほどの部屋に押し込められ、そこで生活をする。その同じ部屋で、見知らぬ軍人から日夜、強姦され続ける。簡易共同便所のような所もあったというほど、劣悪な環境。そこから逃げられたら困るということで、また戦場であるということから、自由に外出することなど許されない。自由に散歩することさえ許されない。休みはないか、あっても月1回程度。戦地で死と隣り合わせになり、敵と殺し合っている軍人たちは殺気だっており、拒めば殴る蹴るの暴行や、刀や銃で脅される。手首をへし折られたり、銃剣で胸を突き刺されたりして、重症を負うこともある。局部がはれ上がろうが、出血しようが、ただれてウミが出ようが、怖くて断れない。通常は一日7人ほど、ひどい時には一日に60人から強姦されることも、恐怖で断れない。そのような極めて残虐な状況が、いつ終わるのか分からずに、この狂気から解放される日が訪れるのかも分からずに、ただひたすら、人間のおぞましさに耐え続けるしかない。
 
このような聞くに堪えない絶望の中、病気に苦しんだ人や、精神が崩壊した人や、耐え続けるため麻薬に溺れた人や、病死した人や、戦闘に巻き込まれて殺された人や、自殺をした人もたくさんいました。
 
この絶望を性奴隷と呼ばずに、何と呼ぶのでしょう。
 
そして、この絶望を否定したり、調査を拒んだり、資料を非公開にしたり、未来に伝え継がれる教育を放棄し続ける選択をすることについて、今ここに生きる私たちは、どう考えるのでしょう。

続きを読む:謝罪、そして、つぐない(3)【事実を認める】
前回を読む:謝罪、そして、つぐない(1)【同意なくして】

​全シリーズ:謝罪、そして、つぐない(1)~(6)
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    JOE KIM
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