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【正当ですか?】
野球用語の中で広く知られていて、日常でも用いられるのが「9回裏2アウト」という表現でしょう。それは、あと1アウトで試合終了、チームの負けが確定することを意味しています。いわゆる「崖っぷちの状況」を表しているのです。 その「9回裏2アウト」が、世界中で起こっています。 テロ組織ハマスによるイスラエルへの攻撃や、ロシア軍によるウクライナへの侵略戦争。その他にも多くの紛争・暴力が、世界の至る所で悲しみを広げている。 そして、とても不幸なことに、今までの人類の歴史において、これらの様な争いは繰り返され、絶えない。 その根本にある理由は「正当防衛」を主張した「次なる殺害」です。 イスラエル軍は「先に殺されたので、仕返しで殺すことは正当防衛だ」と言い、パレスチナを攻撃する。先の殺人を犯した相手を殺してしまえば、少なくともその同じ相手からは殺される心配がもうなくなるので、身を護るため正当な防衛だと主張するのです。 けれども、それらの攻撃が「必ず先の殺人を犯した相手だけ」を唯一の対象にすることがほぼ不可能なことは、戦争・紛争の悲惨な歴史が繰り返し証明しています。どうしても、先の殺人に何ら関係のない無実の人たちを巻き込んでしまうからです。 そうであるからこそ、「正当防衛」を主張した「次なる殺害」は、すなわち「無実の人たちを巻き込み殺すことはやむなし」を意味する、とても理不尽で正当性のない主張なのです。 そして、まさにそのイスラエル軍の仕返しで、ハマスによるイスラエルへの攻撃とは何ら関係のないパレスチナの無実の人びとが殺されている。 小さな子どもたちが殺されている。 生まれたばかりの赤ちゃんまでもが殺されている。 殺されなくとも、幼少期が失われる。幸せが失われる。父親が奪われる。母親が傷つけられる。兄弟姉妹が苦しめられる。家族が破壊される。貧困に苦しめられる。心の傷は深く、一生消えない。 明らかに「正当」ではない。 そして今度は、そのパレスチナの無実の人びとが同じ理屈で、「先に殺されたので、仕返しで殺すことは正当防衛だ」と言う。 このように、「正当防衛」を主張した「次なる殺害」は、「無実の人たちを巻き込み殺すことはやむなし」を意味するので、終わりがありません。 「けど、仕返しで殺すことに正当性がないのなら、一体どうすればいいんだ!何もしないと、無実の人たちが殺され続けるんだ。次は、自分や自分の家族かも知れない。殺し返すしかないだろう!!」 それは、まさに「9回裏2アウト」のように、もう後がない「崖っぷちの状況」なのです。 続きを読む:9回裏2アウトの罠(2)【生々しい感情】 全シリーズ:9回裏2アウトの罠 (1)~(5) [1] [2] [3] [4] [5] 同じテーマを読む:暴力/平和 Comments are closed.
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