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【殺しで殺しは失くせない】
殺し返せば返すほど、無実の人たちは、もはや無実ではなくなり、別の無実の人たちを巻き込んでしまう。 テロ組織ハマスの攻撃により、多くのイスラエルの無実の人びとが殺されてしまいました。そして、いつの時代も戦争・紛争において、性暴力に巻き込まれる無実の女性たちが後を絶たない。 国連の調査によると、少なくとも複数名のイスラエル女性が、ハマスにより強姦を含むおぞましい性暴力の被害にさらされ、その多くが全身あるいは下半身のみ裸で、手を縛られたまま、弾丸の痕を残した遺体で発見されています。 そして「先に殺されたので、仕返しで殺すことは正当防衛だ」とする、イスラエル軍による「正当防衛」を主張した「次なる殺害」で、多くのパレスチナの無実の人びとが殺され続けています。 国連の調査によると、今度は少女たちを含むパレスチナ女性たちが、イスラエル軍により強姦を含むおぞましい性暴力の被害にさらされたり、白い布を振りかざして避難中にもかかわらず殺害されています。 さらには、ガザ地区で医療・人道支援を行う「国境なき医師団」のシェルターをイスラエル軍は攻撃し、ボランティア活動をする医師の家族が殺害されたり、複数名の民間人が負傷しました。 また、少なくとも20名のパレスチナの子どもたちが栄養失調・脱水症状から死亡。国連によると、数十万人のパレスチナの無実の人びとが栄養失調・脱水症状から死亡しかねない、非常に危険な状況にあると警告しています。 まさに、戦争の愚かさには際限がありません。 捕虜としてハマスに捕らえられていたイスラエル市民3名が脱走に成功、イスラエル軍に保護を呼びかけたものの、自分たちを護るはずのイスラエル兵士たちにより射殺されました。3名は白旗を振りかざし、武装していない証拠として着ていたシャツを脱いで、母語であるヘブライ語で保護を呼びかけましたが、イスラエル兵士たちは「恐怖のあまりに誤って発砲した」と説明します。 もちろん、これらのような大惨事は最近のイスラエル・パレスチナだけのことではありません。むしろ、いつの時代も戦争・紛争において、当然のように人間は恐怖に陥り、生々しい感情をむき出して、狂気を起こし続けてきました。 その根本にある理由は「先に殺されたので、仕返しで殺すことは正当防衛だ」とする攻撃が、「必ず先の殺人を犯した相手だけ」を唯一の対象にすることがほぼ不可能だからです。どうしても、先の殺人に何ら関係のない無実の人たちを巻き込んでしまう。 そのような状況のなか、一人の無実の人間の命が奪われることにより、殺されてしまった人の家族・友人など、複数の人たちに「仕返しで殺す正当性」を与えたのなら、それこそ次々と、まるで倍速的に「正当に殺す権利」を生んでしまいます。 そして「正当に殺す権利」が倍速的に増えてしまうのなら、人びとは殺し続けても、とても追いつくことはできません。殺すことで、殺しを失くすことはできないのです。 「9回裏2アウト」のように、もう後がない「崖っぷちの状況」に追い詰められた時、多くの人たちがこの真実に直面せざるを得なくなってしまうのです。 続きを読む:9回裏2アウトの罠(4)【もう手立てがない局面】 前回を読む:9回裏2アウトの罠(2)【生々しい感情】 全シリーズ:9回裏2アウトの罠 (1)~(5) [1] [2] [3] [4] [5] 同じテーマを読む:暴力/平和 Comments are closed.
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