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【意図的に造られた】
雑誌やテレビ、最近ではインターネットなどで、黒人女性モデルの写真や動画、さらにはアニメでも、肌の色をより白く見せようとする。残念ながら、このようなことが1900年代のアメリカでも、現在の日本でも、同じように起こっています。 それは、「白い肌が美しい」とする価値観を、社会に広めて、均一化しようとすること。多くの世界的な人気女優やモデルが白人女性であったり、より肌を白く見せる有色人種の女性たちであったり。それにより、生まれつき黒い肌の女性たちは、幼い頃から日常的にその価値観にさらされ、「自分は美しくないんだ」と、知らず知らずのうちに失望をすり込まれてしまう。 この「白」が望ましく「黒」は望まれないとする「意図的に造られた価値観」は、古くおぞましい白人至上主義の産物です。それよりも遠い昔から伝わる「白は光で、黒は闇」とする象徴が、その差別的な特権主義の道具として、利用されているのかも知れません。そして、またもや日本人を含む、少なからぬアジア人が流され、知ってか知らずか、そこに便乗してしまっている。 幼いうちから「望まれない存在」として育った人は、自己肯定感の欠如に陥りやすいことが、多くの研究結果において報告されています。そして、自己肯定感の欠如は、不安・恐れ・抑うつ・成績不振・アルコールを含む薬物の乱用・暴力や虐待・自殺などにかかわっていることが報告されており、人生において苦難を抱えてしまう、大きな原因の一つになっている。 そのような中で、意図的に造られた価値観によって、幼い頃から失望をすり込まれ続ける。それは、生まれながらの特徴によって、理不尽な除外や拒否を受け、傷つけられること。それは、すなわち差別であり、あってはならないのです。 「そうかも知れないけど、ある黒人の人は、顔の黒塗りコメディも、黒人モデルを白く見せるのも、特に気にしないと言っていた。だから、そんなことは問題にするまでもない。」そう主張する人もいるようです。 けれども、世界には13億人の黒人の人たちが、私たちと同じように、一人ひとりの個人として生きています。そのうちの数名や、仮に数割が「気にしない」と言ったところで、それをもってして、他のすべての黒人の人たちにとっても「問題にするまでもない」と退けるのは、とても乱暴でしょう。 また、例えば、黒人なら黒人に対して。仮に、「自分と同じ人種の人たち」に対してであっても、差別をしても良いわけではないのは、もちろんのこと。加えて、「自分と同じ人種の人たち」に対して「差別をされても仕方がない」と決める権利も、もちろんありません。誰であっても、誰に対してであっても、差別をしてはいけないし、「差別をされても仕方がない」と決める権利はありません。それは、白人なら白人に対して、有色人種ならその同じ有色人種に対して、どの人種であっても違いはありません。 そう考えたならば、たとえ自分自身は気にしなくとも、「自分と同じ人種のすべての人たち」も、その差別を「問題にするまでもない」とか「仕方がない」と、自分にそれを決める権利はありません。「差別をされたくない」と願う権利は、一人ひとりの個人に備わっているからです。 「そうかも知れないが、そんなことまでイチイチ気にしないといけない社会は、大変過ぎる」という人もいるようです。 けれども、「そんなことまで」とは、「傷つける側の人」や「知らずに傷つける側の人になってしまっている人」が、決めて良いことではありません。私たちが「傷つく側の人」であったなら、「それは当然、気にしてもらわないと困る」と想うのではないでしょうか。 そして、差別によって傷つけられる人たちが、現に存在するこの世界において。「差別」にしっかりと向き合うことは、例え「大変」であろうとも、絶対に避けてはならない。傷つけられる人たち一人ひとりを個人として認め、そして、その人に向き合わなければならない。私たちが「傷つく側の人」であったなら、きっとそう願うのではないでしょうか。 誰も差別をされたくはない。私たち一人ひとりが、その共通性に目を向けてみることで、差別をなくすことができるのではないでしょうか。 続きを読む:差別をなくす(8)【入れ替わっただけ】 前回を読む:差別をなくす(6)【意図的でなくても】 全シリーズ:差別をなくす(1)~(12) [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] 同じテーマを読む:差別 Comments are closed.
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