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#78: みんなの自由(第2回)

10/25/2021

 
【ヘイトスピーチ】
前回に述べた、ガソリンスタンドにおける事件。これは、殺人という他者の命を奪う暴力。どれほど犯人が「自分の自由」を満喫したいとしても、「他者の命を奪う暴力を許容できる自由」などありません。
 
この場合は法により、殺人はもちろん禁じられ、マスク着用も義務化されています。法律で「自分の自由」を縛るほどに、他者の命とは、暴力から守られなければならない「他者の自由」なのです。
 
自由を求める私たちにとって、法によりその自由を縛られるのは、とてもつらい。誰もが、不自由を好まないでしょう。そうであるからこそ、暴力ではなく、自らの意思をもって、「自分の自由」を自粛するのです。
 
周りの人たちや世界中の人たちの「生きる自由」をコロナから少しでも守るために、自分の「ワクチンを接種しない自由」や「マスクをしない自由」を自粛する。
 
自らの意思を持って自由を自粛しなければ、法により、その自由が縛られることを招いてしまいます。自由を求める私たちが、法律によって「自分の自由」を縛られないためにも。そして、みんなの自由が成り立つためにも。他者の命・生活・尊厳に対する暴力になりかねない場面において、自らの意思をもって、「自分の自由」を自粛するのです。
 
そう考えたなら、みんなの「生きる自由」を守るために、自分の「殺す自由」は自粛する。
同じく、みんなの「銃におびえることのない自由」を大切にするために、自分の「銃を持つ自由」は自粛する。
 
責任ある大人として、社会のひとりとして、周りの人たちや世界中の人たちへの思いやりをもつということではないでしょうか。
 

* * * * * * * * * *

また、米国のトランプ前大統領や日本の安倍・麻生元首相などの影響に流され、少なからぬ人たちがヘイトスピーチを、特にインターネットを中心として繰り広げています。ヘイトスピーチとは、優越的な立場にある人種・出身・性別・多数派などの人たちが、そうでない立場にある人たちに対して、憎悪を表明したり、助長する表現のこと。
 
それは、言うなれば「言葉の暴力」であり、他者の尊厳に対する暴力です。そして、時にはそれが、他者の命や生活に対する暴力にもなる。
 
そのような行為を「表現の自由」と語っては、「何を言っても自由」というかのごとく、その実態は「自分たちさえ良ければ」になってしまっている人たちが、後を絶たない。
 
ドイツ・フランス・イギリス・デンマーク・スウェーデンなど、多くのヨーロッパ諸国においては、ヘイトスピーチを禁止・罰則する法律があります。ドイツに至っては、ナチス時代の教訓から、懲役5年までの罰則を設けています。
 
日本においては、ヘイトスピーチ解消法が2016年に施行されていますが、あくまでも理念法にとどまっており、禁止・罰則の規定がありません。そして、最も残念なことに、アメリカでは憲法における表現の自由に抵触するとして、最高裁がヘイトスピーチの禁止・罰則を認めていない。
 
けれども、法により縛られていようがなかろうが、自由があるからといって、何をしても良いことにはなりません。例えば、他者の家に勝手に転がり込んだり、物を無断で使ったり、脅したり、殴ったり、ましてや殺したりしても良いことにはなりません。
 
それと同じように、表現の自由があるからといって、他者に対して何を言っても良いことにはなりません。他者の尊厳に対する暴力を振るって良いことにはならないからです。更には、表現の自由と同じように、守らなければならないその他の自由もあるからです。
 
そう考えたならば、みんなの「言葉による暴力のない自由」を守るために、自分の「ヘイトスピーチの自由」は自粛する。
 
すべての人に自由はあります。すべての人や生きものに備わるべきです。そうであるからこそ、みんなの自由を守ることが大切なのです。
 
自由を求める私たちが、他者の命・生活・尊厳に対する暴力になりかねない場面において、自らの意思を持って自分の自由を自粛することが、とても大切ではないでしょうか。


前回を読む:みんなの自由(1)【ワクチン接種】

同じテーマを読む:暴力/平和

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    JOE KIM
    Retired from business at age 34. Now, an active supporter of inclusive initiatives globally.
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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