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【ジェンダーギャップ】
「若い女性たちがチヤホヤされ、レディース割引で得して、女性専用車両でくつろぎ、男性に重い荷物を持たせ、ディナーはおごってもらう。そのうえ男女同権を主張するのは、いくら何でも都合が良すぎるよ!」 このような不満の声が、とりわけ日本やアジアの男性たちから漏れ伝わってきます。 特に驚くのは「男女同権が行き過ぎて、今や女性優位な社会になってる」とさえ言いたげな男性たちの多いこと。 しかも、これはごく最近の風潮だけではないようです。 もうすぐ100年前にもなろうかという戦時中の日本で、小説家として活躍した太宰治は、時に憎々しげに、この手の不満をボヤいてました。また、太宰よりも一世代あとに人気を博した遠藤周作も、多少トーンダウンしたとはいえ、それでもボヤいてました。今でも広く知られる作家たちなので、それほど当時の読者たちは魅了され、今なお人びとの共感を呼ぶのでしょう。 けれども、現実の社会はまったくそうではありませんでした。 例えば、当時は旧民法により、家族の一員は結婚・居住地など自分自身の人生の重要な選択を自由に決める権利がなく、戸主(現在でいう世帯主)の同意が必須要件でした。戸主とは、その家を代表する男性であることがほとんどで、父親か、もしくはそのあとを継いだ長男でした。そのような法律が、戦後の1947年まで用いられていたことからも、男女同権・平等には程遠かったのです。 また、当時は夫が妻を叩いたり、頭を小突いたりすることも日常茶飯事だったようです。それを「教育」と称したり、「愛情」と呼んだりしていた始末。実際に、戦後まもなくから人気が続く漫画サザエさんや、お茶の間で流れるテレビドラマなどでも、1970年代あたりまではよく見るほど、当たり前の光景でした。 そして、現在です。 法律は目覚ましく改善され、夫による妻への暴力はDV(ドメスティック・バイオレンス)だと正しく認識されるようになったのは、確かな前進です。けれども「男女同権が行き過ぎて、今や女性優位な社会になってる」とは、到底言えません。 それは、客観的に見たならば、現実はまったくそうではないからです。 例えば、世界経済フォーラムによる「ジェンダーギャップ指数」。世界の約150ヵ国を対象に、賃金・重役ポスト・就業率・就学率・政治の議員数・閣僚ポストなど、男女間の格差について経済・教育・政治・健康の指標を多面的に20年近くも研究しています。 その2024年版において日本は118位で、先進国と呼ぶには余りにお粗末な結果。フィリピン(25)・シンガポール(48)・タイ(65)・ベトナム(72)・韓国(94)・中国(106)など殆どのアジア各国より、かなり遅れをとっているのが現実です。 そして驚愕するのは、世界1位の国ですら、ジェンダーパリティー(男女平等)を達成していないという事実。 それは、世界中を見渡しても、男女同権・平等に達している国がたった一つもないという、ひどく理不尽な現状を映し出しています。 「男女同権が行き過ぎて、女性優位な社会になってる」なんて、本当にとんでもない! 次回は、この考察をさらに深めたいと思います。 続きを読む:男女同権・平等の真実(2)【セコい男性】 全シリーズ:男女同権・平等の真実(1)~(6) [1] [2] [3] [4] [5] [6] 同じテーマを読む:差別 Comments are closed.
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