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#56: 支援の現場より(第1回)

12/25/2019

 
【米国 ホームレス】
ホームレスになっている人たちは、世界中で約1億5千万人。また、家があるとはいっても、水道・排水・電気設備が整っていない住居に暮らす人々を含めると、推定16億人とも言われます。私たちと共に、この世界に生きる人々のうち、2割以上が厳しい住環境で生活をしているという現実。
 
私たちは日々、一言で「ホームレス」と表してはいるけれども、もちろん、実際には多様な人たちがいます。
 
公園や路上で野宿生活をする、路上生活の人たち。シェルターなど、支援施設で生活をする人たち。ドメスティックバイオレンスなど、何らかの切迫した事情を抱え、自宅を離れざるを得なくなった人たち。知的障害があるものの、生活を支えてくれる家族がいない人たち。車の中で、寝泊りをする人たち。定まった住居を持たず、親族・友人宅を転々とする人たち、など。
 
アメリカにおいて、ホームレスになっている人たちは約55万人。その人たちを少しでもケアしようと、約1万カ所の「シェルター」と呼ばれる施設が、主にNPO団体や地方自治体により、運営されています。シェルターでは食事を提供し、宿泊やシャワーなどの設備を整えて、生活・就職における自立への支援もしている。
 
そのひとつのシェルターで、毎週、就職支援のボランティアをしています。
 
就職支援プログラムの当日は、朝9時に参加者たちが、シェルターの専用施設に集まって来ます。州のいたる所で様々な活動をする、シェルター・他のNPO団体・地方自治体の職員やボランティアが、予め一人ひとりに事前声掛けをしており、プログラムの当日に、参加者たちは各々の想いを胸に、集まるのです。
 
それなので、実際には集まってみて初めて、当日の参加者が分かります。来ないだろうと思っていた人が現れたり。来ると思っていた人が現れなかったり。人づてに聞いて、参加を決めたり。少ない日で5名ほど、多い日で20名ほどでしょうか。
 
その参加者たちは、シェルターで生活をする人たちだけではなく、路上生活や車上生活、親族・友人宅から来る人たちまで、実にさまざま。その中には、仕事に就いてはいるものの、給料が低すぎて家賃を払えず、ホームレスになっている人たちもいます。
 
また、住居はあるが、仕事を失ってからは家賃を滞納しており、新しい仕事が見つからなければ、今月末にでも強制退去になってしまう。そのような、ホームレス寸前の人たちも参加します。
 
参加者たちの前職は、とても色鮮やかです。
 
「建設現場で重労働をしていた。マクドナルドでバーガーを作っていた。20年以上も警備員一筋だった。スーパーの店員だった。ショッピングモールのトイレ清掃をしていた。幼稚園の先生は楽しかった。警察官だった。心理学の博士号を取得している。レストランで皿洗いをしていた。レストラン経営者だった。アラスカを往来する漁船の漁師だった。13年間ピザ職人をしていたが、もうイヤだ。」
 
「借金の取り立てをしていた。商業用倉庫でコンテナの移動作業をしていた。障害を抱えた17歳の少年と50代の女性のケアテーカーだった。ホテルのルーム清掃をしていた。バーテンダーしかしたことがない。港で船の修理作業をしていた。農業が好きでやっているが、それでは家賃が払えない。美容室を経営していた。パン職人に戻りたい。地元の公務員だった。仕事が続かず、週単位で仕事を転々としている」、など。
 
また、アメリカということもあり、あらゆる人種・民族の人たちが集まります。白人系、黒人系、アジア系、ポリネシア系、ユダヤ系、など。年齢層も10代から70代まで。男性・女性・LGBTQ。車イスの人たちや、障害を抱える人たち。精神疾患を患い、薬を処方されている人たちも参加します。
 
また、外国やミクロネシア出身など、英語が第一言語ではない人たちも参加します。会話が難しい人たちとの間であっても、ゆっくりと、根気よく聞いて、話をしていると、なんとか分かり合える気がしてくるのが、実に不思議なのです。


続きを読む:支援の現場より(2)【就職支援】

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    JOE KIM
    Retired from business at age 34. Now, an active supporter of inclusive initiatives globally.
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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