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【安全で礼儀正しい】
世界中で、多くの人たちが羨む日本の特徴ナンバー1は、何といっても「安全」でしょう。 よく聞く理由は「夜中にひとりで街を出歩いても安全!」なこと。日本では当たり前に感じられても、世界の人たちからすれば、とても新鮮な驚きなのです。もちろん残念なことに、日本においても卑劣な犯罪は日々起こりますが、一般論として、他の国・地域と比べて、やはり日本は治安が良い。 なかでも大きく称賛に値するのは、厳しい銃規制でしょう。市民による銃の所持はほぼ禁止されていて、その取り締まりはとても優れたもの。銃が一般に流通することはほぼなく、ほとんどの人たちが銃の危険に怯えることなく生活ができる。これは、本当に素晴らしいことです。 どれほど素晴らしいことなのかは、銃の所持が憲法により広く認められているアメリカと比較すれば、一目瞭然でしょう。 銃乱射事件などが後を絶たず、子どもを学校に通わせるにも銃による殺人リスクを覚悟しなければならない程のアメリカ。そのような愚かしさをよそに、銃所持があたかもカッコいいのような浅はかなマッチョ・カルチャーが依然としてはびこり、多くの人びとが悲しくも命を失っています。命を落とさないまでも、障害が残ったり、家族・友人の悲報に接したり、恐怖に怯える日々の心的ストレスなど、銃の被害は計り知れません [詳しくは#68]。 世界が羨む「安全」に加えて、日本の多くの人たちが礼儀正しいことも、世界の人たちからすれば嬉しい驚きです。これは、あまり羨ましくない「型にハマった」日本の教育システムが、もたらす数少ないプラス面とも言えるでしょう。 これらのような素晴らしい特徴をもつ日本を、多くの人たちが「優しい国」だと称賛します。 けれども、本当に日本は「優しい国」なのでしょうか。 この疑問を呈する理由は、日本の「安全」や「礼儀正しさ」は、世界中で必要としている人たちを拒絶することにより、保っていると思われるからです。 実際、日本において今も昔もよく耳にするのは、「外国人がたくさん住みついて治安が悪くなった」など、差別的な感情。あるいは「外国人が多く住んでる地域は怖いから、近づかない方が無難」などの排他的感情も、まま聞きます。ここでいわれる「外国人」とは、華やかな見た目の外資系企業でバリバリ働く比較的裕福な生活をしている人たちというよりは、留学生・労働者として日本に滞在している、必ずしも経済的に恵まれているとは言い難い人たちのことを念頭においているようです。 他方で、欧米の先進国と呼ばれる国々では、多様性を歓迎すべく多くの移民の人たちを受け入れています。また、戦争・暴力・紛争・迫害などの危険にさらされ、自国を追われる身になってしまった難民の人たちを多く受け入れています。 移民の受け入れ (カッコ内は人口の割合): アメリカ 約5,063万人(15%) ドイツ 1,576万人(16%) イギリス 936万人(14%) フランス 852万人(14%) 日本 277万人 (2%) 難民の受け入れ: ドイツ 259万人 フランス 66万人 イギリス 45万人 アメリカ 41万人 日本 2万人 ウクライナ避難民の受け入れ: ポーランド 1,990万人 ドイツ 117万人 アメリカ 54万人 イギリス 24万人 フランス 7万人 日本 2千人(誤字ではなく、桁が違います) もちろん、文化・習慣が異なった人たちが、同じ場所をシェアして生活をするのは、とても難しいこと。「普通はこうするよね」などといった自分たちの常識が、相手にとってみればまったく常識でないことは、むしろ日常茶飯事です。 多様性を受け入れ、多彩な背景の人たちと共に生活をすると、時にはとっ散らかったり、またある時には面倒なドタバタ劇が繰り広げられたりする。このような複雑で難解なことを大きな器をもって受け入れるには、「安全」や「礼儀正しさ」をある程度妥協せざるを得なくなるでしょう。 次回は、ここの考察をさらに深めたいと思います。 続きを読む:優しい国(2)【優しい人】 同じテーマを読む:ある視点 Comments are closed.
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