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【宗教】
日本では、宗教にあまり馴染みのない人たちが多いものの、世界に一歩でてみると、その存在感の大きさに驚いたりします。 それもその筈、世界の人口約78億人のうち、
この4大宗教だけでも、約60億人の人たちが信者であり、実に世界の人口の77%にもなります。 そして、もう一つの大きなくくりは、無宗教・不可知論者・無神論者の約12億人です。 無宗教は「自分は特定の宗教を信仰しない」と考える人たち。 不可知論者は「神の存在は証明することも反証することもできない」と考える人たち。 そして、無神論者は「神は存在しない」と考える人たち。 とは言っても、世界の人口の大多数は、何らかの宗教を信仰しているのです。 (参考まで:キリスト教の内訳を見てみると、その最大宗派のカトリックが約13億人、次いでプロテスタントが9億人です。そして、同じアブラハム系の宗教として、キリスト教やイスラム教と共通する教えをもつユダヤ教は、比較的小さく1500万人です。) そこで考えさせられます。宗教がこれ程までに、私たちの社会に浸透しているのは、やはり人類の幸せに貢献している側面が少なからずあるからでしょう。 例えば、キリスト教は、「自分自身のように他者を大切にする」や「自分の罪を悔い改める」ことを教えます。 イスラム教は「Zakat」という寄付制度を通して「困っている人たちを助ける」ことを教えます。 これらのように、「他者を大切にして、困っている人たちを助けて、人びとの幸せに貢献する人生を生きましょう」とする本質が、宗教の根底に流れているのではないでしょうか。その意味において、どの宗教であれ、すべての人にとって世界をより良くするのであれば、それはとても素晴らしいこと。 一方で、直近の1千年で、約4千万人の人びとが、宗教の名のもとに殺害されているとも言われます。 例えば、1500年代のユグノー戦争は、カトリック教徒とプロテスタント教徒が戦ったフランスの内戦で、約3百万人が殺害されたと言われます。カトリックとプロテスタントは共にキリスト教の宗派ですが、時にその争いは、他の宗教との争いよりもエスカレートしている。 1600年代の三十年戦争も、同じく、カトリック教徒とプロテスタント教徒が戦った、ヨーロッパにおける国際戦争で、約8百万人が殺害され、史上最悪の宗教戦争として知られます。 1900年代初期のオスマン帝国政府のイスラム教徒による、アルメニア系・ギリシャ系のキリスト教徒の虐殺では、約2百万人が殺害されました。 そして、第二次世界大戦におけるホロコーストでは、ナチスドイツによるユダヤ人の虐殺で、約6百万人が殺害されました。 現在においても、イスラエルのユダヤ教徒とパレスチナのイスラム教徒の紛争や、中国政府によるウイグル族のイスラム教徒の弾圧など、宗教の名のもとに行われる殺害は後を絶たない。 戦争は、人間の恐怖心を利用し、権力者が意図的に自らの権力を保持しようとすること。そのためには、暴力・差別・脅し・嘘・隠ぺい・改ざんなど、戦争は手段を選ばない。無実の人びとの自由を奪い、生活を奪い、人権を奪い、命を奪い、殺すことが推奨される。そして、殺すことを断ると、犯罪者にされる。 このように戦争とは、モラルのあべこべを作りだす。戦争を絶対に許容してはならない本質的な理由は、殺すことを人びとに強いるからです。 惨劇を目の当たりにして、「こんなことになるとは思わなかった」と嘆いても、被害は起こしてしまったら、もう取り返しがつきません。そして、その恨みからまた攻撃する。攻撃された方も、憎しみから攻撃をやめない。 戦争には短期的な勝利はあっても、根本的な解決はありません。なぜなら、やられた側は憎しみを抱き続けるからです。「戦争という名の大量殺りく」により、長い目でみた、世界の平和を得ることはできない。大量殺りくという正当性のない行動により、持続する正義を得ることはできないからです。 このように、人びとの人生を不幸に陥れる戦争や暴力を、宗教をめぐって起こすというのは、どの宗教であれ、その根底に流れる「他者を大切にして、困っている人たちを助けて、人びとの幸せに貢献する人生を生きましょう」とする本質を考えたなら、明らかに矛盾していると言わざるを得ません。 続きを読む:分断なき多様性に向けて(2)【視点】 全シリーズ:分断なき多様性に向けて(1)~(7) [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] 同じテーマを読む:多様性/インクルーシブ Comments are closed.
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