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【国境】
すべての人たちにとって世界をより良くするには、分断ではなく多様性を歓迎することが、とても大切です。そう考えたなら、私たちが日々、当然のように考えている国籍や国境とは、残念なことに多くの場合、分断の道具として利用されてしまっています。 例えば、日本人でなければ、自由に日本で住み続けることはできません。外国籍の場合、ビザの取得など、日本政府から承認されなければ、入国することはできません。もちろん、日本で働いたり、学校に通ったりすることも許されない。 また、日本国籍を持っていなければ、たとえ日本で生まれ育ったとしても、さらには日本でしか住んだことがなく、日本語しか話せなかったとしても、選挙で投票することができません。選挙で投票ができないということは、自分の住む国や地域における政治的判断に、地域の住民として、周りの人たちと一緒に参加することが認められないということ。 住民として、どのような権利を制限されようとも、あるいは義務を課せられようとも、政治的判断における一切の声や権利がないというのは、とても不安なことです。 さらには、たまたま、安全で豊な国の国民である親のもとに生まれたというだけで、子はその恩恵を受けることができる。他方で、貧困にあえいでいたり、治安が不安定な国の国民である親のもとに生まれたというだけで、安全で豊な国の恩恵を平等にシェアしてもらえない。 みんな平等な人間なのに、生まれで不平等を押し付けられるのは、とても理不尽でしょう。これらのような状況から、国籍・国境は分断の道具として利用されているのです。 多様性を歓迎するには、国籍という生まれながらの排他意識をなくして、誰もが、住みたい国や地域で自由に住めるようにすること。 真のボーダレス社会を目指すには、違いを認め、それを好意的に受け入れ、排他意識をなくすことがとても重要です。現在の世界において、それは、移民の人たちを受け入れるところから始まるのではないでしょうか。 国連による「移民」の定義は、「現在住んでいる国とは別の国で生まれた人たち」とされており、国籍の取得を意味するものではありません。国連の統計によると、世界の総人口約79億人のうち、移民の人たちは2億7千万人しかいません。世界の人びとの3.5%しか移民ができていない状況を捉えたならば、いかに国籍といった排他意識が、世界的にはびこっているかが伺えます。 その内、移民の人たちを最も受け入れている国はアメリカで、その数は突出して約51百万人、アメリカの人口の約15%になります。 次いで、 ドイツ 16百万人(16%) サウジアラビア 13百万人(38%) ロシア 12百万人(8%) イギリス 9百万人(14%) アラブ首長国連邦 9百万人(89%) フランス 9百万人(14%) カナダ 8百万人(21%) となっています。 日本の場合は3百万人にも満たず、人口の2%に過ぎません。 日本の至る所で、海外からの技能実習生が増え、街中で外国出身の人たちが働いていたり、生活をしている光景をよく見かけるようになりました。けれども、彼・彼女らは3年~5年のうちに本国に帰る義務があり、日本に住み続けることは、ほぼ許されていません。 移民の人たちを多く受け入れている国は、そもそも受け入れの人数が多いのもさることながら、さらには滞在期間を長くしたり、永住を多く認めていたり、国籍の取得にもより積極的な傾向がみられます。 現在のとても理不尽な国籍・国境システムにおいて、少なくとも、移民の人たちの受け入れを積極的に増やし、違いを好意的に受け入れ、排他意識をなくしてゆくことが大切ではないでしょうか。 続きを読む:分断なき多様性に向けて(5)【国籍】 前回を読む:分断なき多様性に向けて(3)【違い】 全シリーズ:分断なき多様性に向けて(1)~(7) [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] 同じテーマを読む:多様性/インクルーシブ Comments are closed.
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