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#83: 分断なき多様性に向けて(第5回)

4/10/2022

 
【国籍】
みんな平等な人間なのに、生まれで不平等を押し付けられるのは、とても理不尽です。真のボーダレス社会を目指すには、国籍という生まれながらの排他意識をなくして、誰もが、住みたい国や地域で自由に住めるようにすること。現在の世界において、それは、移民の人たちを受け入れるところから始まります。
 
それでは、戦争・暴力・紛争・迫害などの危険にさらされ、自国を追われる身になってしまった難民の人たちの受け入れはどうでしょう。
 
2021年時点において、難民の人たちを最も受け入れている国はトルコで、その数は370万人。
 
次いで、
 
ウガンダ          148万人
ドイツ               124万人 となっており、
 
アメリカ             34万人、
日本                       わずか1千人。
 
現在進行中で到底許容できない、ロシア軍によるウクライナへの侵略戦争において、世界各国がウクライナからの避難民を受け入れています。最も多いのはウクライナに隣接する国々で、現在のところ、
 
ポーランド      259万人
ルーマニア         69万人
ハンガリー         42万人
モルドバ              41万人
スロバキア         31万人 となっています。
 
アメリカは10万人を受け入れる意向を表明。
日本は、過去と比較すると異例の速さで対応しているものの、それでも300人程に留まっています。
 
移民や難民の人たちを受け入れるには、社会全体が排他意識をなくして、違いを好意的に受け入れる体制を整えているのかが問われます。
 
付け焼き刃ではなく、日ごろから人びとが移民・難民の受け入れについて議論を重ね、世界的視野をもって他者を大切にする心を育て、困っている人たちを助ける考えを深め、そして、社会全体を成熟させているのかが問われるのです。
 
アラブ首長国連邦やサウジアラビアは、人口の大部分(89%および38%)が移民であることから、その積極的な受け入れ姿勢は抜きんでて素晴らしいのですが、一方で難民の受け入れや国籍の取得に関しては、残念なことにとても消極的とのこと。
 
ここで、国籍の取得について考えてみましょう。
 
現在の世界的な国籍・国境システムにおいて、国に自由に住み続け、選挙で投票をするには、国籍の取得がほぼ必須となります。外国籍に生まれ、日本国籍を取得する人は年間約9千人で、アメリカ国籍を取得する年間70万人の90分の1程度。
 
さらに、日本はJus Sanguinis方式(血統主義)を採用している国で、親の国籍が外国籍である場合は、子が日本で生まれたとしても、子は日本国籍を取得しません。
 
世界中のほとんどの国が、このJus Sanguinis方式を採用しているのは事実です。けれども、フランス・ドイツ・イギリスなどは日本よりも緩く、例えば親が外国籍であった場合でも、親も子も双方フランス生まれであれば、子はフランス国籍を取得します。
 
一方で日本は、韓国や中国と同様に、厳しいJus Sanguinis方式を採用しており、例えば親が外国籍であった場合で、親も子も双方日本生まれであろうとも、それこそ数世代に渡って日本生まれであっても、子は日本国籍を取得しません。
 
他方で、アメリカ・カナダ・メキシコなど多くの北南米の国々ではJus Soli方式(出生地主義)をも採用しており、親の国籍に関係なく、例えば子がアメリカで生まれたなら、子はアメリカ国籍を取得します。
 
そもそも国籍・国境という分断の道具をなくして、親の国籍や自身の生まれた国などに関係なく、誰もがボーダレスに、住みたい国や地域で自由に住めるようにすることが、最も望ましい形でしょう。
 
分断なき多様性を歓迎するには、違いを好意的に受け入れ、排他意識をなくしてゆくことが大切ではないでしょうか。

続きを読む:分断なき多様性に向けて(6)【国益】
前回を読む:分断なき多様性に向けて(4)【国境】
 
全シリーズ:分断なき多様性に向けて(1)~(7)
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同じテーマを読む:多様性/インクルーシブ

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    JOE KIM
    Retired from business at age 34. Now, an active supporter of inclusive initiatives globally.
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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