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#86: どんな時もPro-Life(第1回)

7/10/2022

 
【妊娠中絶】
先月、アメリカ連邦最高裁は「妊娠中絶に係る女性の権利は、憲法により保障されている」とした1973年の判決(Roe v. Wade判決)をくつがえしました。
 
これにより、米国議会において新法が成立するまでは、各50州の州法をもって、中絶の権利がそれぞれ定められることになります。実際に、アラバマ州やルイジアナ州を含む22の保守的な州においては、既に中絶が禁止になったか、或いはなる見込みです。
 
アメリカをはじめ、キリスト教(特にその最大宗派であるカトリック教)が浸透している国々において、妊娠中絶は政治的・宗教的にも、人びとの大きな関心事です。アメリカにおいては約80万件、日本では16万件、世界中で73百万件の中絶が、一年間で報告されていることからも、これは誠意をもって向き合わなければならない課題でしょう。
 
ここで忘れてならないのは、その1件づつが「赤ちゃんの命、人間の命」であるという事実。
 
そもそも、アメリカにおけるPro-Life Movement (命を守る運動)は保守層を中心として、生まれてくる赤ちゃんの命を守るべきだと、妊娠中絶の禁止を訴えてきました。
 
一方でリベラル層は、女性の医療にかかる権利の尊重として、中絶は妊婦自身に選択する権利があるべきだと、Pro-Choice(選択する権利を守る)を訴えてきました。
 
このような背景から、今回の最高裁判決は、胎児の命を守ることを優先し、女性の権利をはく奪する判決だといえるでしょう。
 
妊娠中絶を禁止することは、「赤ちゃんの命を守る、人間の命を守る」という意味において、とても大切です。軽率に妊娠をしても「中絶すればいいや」という風潮を、何とか防ぎたいとする想いでもあります。
 
また、出産しても、赤ちゃんを育てられない母親の場合。例えば、多くの思春期妊娠など、アメリカでは約10%の中絶が、19歳以下の妊婦のケースだと報告されています。けれども、現在のアメリカにおいては養子制度が整っており、年間約14万人の子どもたちが養子として迎え入れられ、他者の子どもを迎え入れる準備のある「育ての親」たちが推定1~2百万組はいるとされています。
 
その「育ての親」は、自分たち自身の赤ちゃんを授かることができず、養子を待ち望んでいる夫婦。あるいは、実子はいても、親の庇護に恵まれない他の子どもたちも迎え入れて、実子と共に育てるケースなど、実に様々です。中絶ではなく、生まれてくる赤ちゃんは「育ての親」に委ねるという選択肢が、確立されています。
 
けれども、妊娠中絶に係る課題は、それだけでは解決が出来ないというのも、事実でしょう。
 
例えば、妊娠・出産により、妊婦の命が失われる程の危険がある場合。一例として、子宮外妊娠の状態で胎児が成長した場合、もともと赤ちゃんが成長できる環境ではなく、妊娠7週頃になると胎児を含む構造が破裂し、出血やショック症状で、妊婦の命に危険が及びます。
 
そもそも子宮外においては、栄養が供給されない・スペースがないなど、残念ながら赤ちゃんは育つことができない。現在のアメリカでは、年間6万件以上の子宮外妊娠が報告されています。それでも中絶を禁止するということは、妊婦の命を守らないということになります。
 
Pro-Life(命を守る)としては、これでは本末転倒といえるでしょう。
 
また、アメリカでは、年間3万件以上の妊娠が強姦や親近相姦によると報告されています。妊婦はおぞましい性暴力の被害にあったうえに、たとえ生まれた赤ちゃんを養子に出すとしても、出産まで9か月間にも渡り、精神的にも肉体的にも、苦しめられるという二次被害にあう。そのようなトラウマに、一生苦しめられる女性たちが多くいます。
 
そして、歴史をさかのぼってみても、また現在でもなお、アメリカのみならず世界中で、特に妊娠中絶が禁止されている国や地域では、どうしても出産を希望しない妊婦は、自らの手で中絶をしようするケースが後を絶たない。
 
世界中で、年間約17百万人の妊婦が医師によらない中絶を行い、そのうち7万人が命を落としています。医師にかかることができない結果として、胎児のみならず、妊婦自身の命さえも犠牲にしたり、一生半身不随になってしまうこともあります。
 
これも、Pro-Life(命を守る)としては、本末転倒といえるでしょう。

続きを読む:どんな時もPro-Life(2)【格差社会の問題】

全シリーズ:どんな時もPro-Life (1)~(3)
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同じテーマを読む:倫理観

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