Thinker Blog 考える人のブログ
  • BLOG
  • AUTHOR
  • PURPOSE
  • ARCHIVES
  • CONTACT
  • BLOG
  • AUTHOR
  • PURPOSE
  • ARCHIVES
  • CONTACT

THINKER BLOG

#20: 持続できない原発(第4回)

12/8/2017

 
【私たちの責任】
​原発が持続できない3つ目の理由である、原発にかかる本当のコスト。その二つ目の主張として「原発がなければ電気代が高くなるから、日本は原発をやめられない」。これが、明らかな誤りだということを「逆転の根拠 その1~3」を示して、説明しました。
 
「その1:安全対策費用」は3.3兆円、「その2:事故処理コスト」は879兆円、「その3:安全廃炉コスト」は336.1兆円、総計1218.4兆円。今の科学をベースに、推定でも試算できる範囲内だけで、この巨大な金額です。世界一の借金大国と呼ばれる、日本国の借金額をも超えるこの金額が、経済産業省の「エネルギー白書」において、おおむね記載漏れとなっているのです。そして、今なお、原子力の発電コストが安いと主張し続けて、原発の再稼働や新設までをも進めようとする政権や原発推進派は、無責任を通り越して、もはや悪質ではないでしょうか。
 
それでは、総計1218.4兆円という巨大な金額は、私たちの生活レベルにまで落とし込んで考えてみると、実際にどのような電気代なのか。
 
2017年時点において、日本には約1億2千6百万人が暮らしています。そうすると、1人当たり967万円の電気代が、実際に今まで私たちが支払った電気代をさらに超過して、既にかけてしまった計算になります。3人家族の世帯であれば、2900万円ほどになります。
 
これを、毎月の電気代として考えてみます。日本人の平均寿命が約83歳ということは、生まれたあの日から亡くなるその日まで、毎月もれなく電気代を払うと仮定すると、996か月になります。その間、私たちは電気代を1人当たり毎月9700円、過少請求される計算になります。3人家族の世帯であれば、毎月2万9千円ほどになります。自分が使った分は、自分が払うことが当然だとするならば、毎月追加で支払う必要が、本当はあるということです。
 
日本に54基の原発を建設して、福島原発事故を1件起こしてしまったことで、この電気代は既にかけてしまったのです。総計1218.4兆円という金額は、そのような、巻き戻すことができない、現実の電気代です。
 
今日あなたは、この高い電気代を追加で払わないでしょう。明日も払わないでしょう。というより、あなたが生きているうちに、そのほとんどを払わないのではないでしょうか。けれども、このあまりにも高い電気代は、既にかけてしまったのです。誰かが払わなければなりません。それでは、いったい誰が、今ここに生きる私たちによって、既にかけてしまったコストを払うのでしょうか。
 
それは、これから生まれてくる人たちが払うのです。私たちの子や孫、またその子や孫たちです。自分が払わないコストや、解決できない問題を、他者に押し付けているのが、今ここに生きる私たちなのです。これも「他者の犠牲」のうえに成り立つ「自分ファースト」ではないでしょうか。
 
原発は持続できません。その理由は、本文で述べたように、明白です。
1つ目の理由:自然災害やテロなど、予測不可能なことが起こることを想定すると、危険すぎる。
2つ目の理由:高濃度放射性物質に汚染された水は、今の科学や技術では解決できない。
3つ目の理由:原発にかかる本当のコストは、火力発電コストの比ではないほど、莫大である。
 
そして、今ここに生きる私たちに原発の責任があることを、疑いの余地もなく、はっきりと意識したい。なぜなら、原発により発電された電力を「安いから」と言って、今まで使ってきて、そしてこれからも使い続けることを、多くの人は許容しているからです。「自分だけではどうにもならないから」と言って、現状を許してしまっているということは、消極的であっても、許容していることに違いはありません。
 
このような時だからこそ、今どうするかが、一人ひとりの個人に問われています。あなたは、「原発ゼロ」を公約にしている候補者に、選挙で投票しましたか。周囲の人たちに、原発は続けるべきではないと、伝えましたか。権力者に批判的になると仕返しが怖いし、周囲の目も気になるので、おとなしく何もしないのか。それとも、良くないことは良くないと、それが権力者に対してであっても、周囲の目が気になろうと、当たり前のことを当たり前のように言える、勇気と信念を持つのか。こうした、一人ひとりのチョイスが世論を作り上げ、積み重ねていけば、世界を形成してゆくのです。
 
福島原発事故以前は「知らなかった」で済まされた気になっていた責任も、知ってしまった今においては、その責任を逃れることは許されません。
 
そして、ここで述べた以外にも、原発にかかる本当のコストは、まだまだ際限がないほどあります。例えば、福島県産コメのセシウム検査に2012年から2016年の5年間で305億円。幾多の農家や生産者による、食品の放射能検査の費用。そして何よりも、コストとして数値化が難しい健康被害や環境汚染。世界中の人たちが、海や山の幸を食する度に頭によぎる、放射能汚染の心配。幸せな地元生活を奪われた住民の苦悩。家族と離れ離れに暮らすしかない人たちの心細さ。家族を失った人たちの深い悲しみ。それらにより自殺に追い込まれた人たちの無念。
 
人の生活の価値、心の安らぎの価値、幸せの価値、生きる物すべての価値、そして命の価値。それらの価値は、一体どれくらいなのでしょうか。あなたにとって、これらの価値はどれくらいなのでしょうか。
 
これらの価値と原発の真実に、正面から真剣に向き合えば、原発が持続できないことは明らかではないでしょうか。今ここに生きる私たちの責任を、今ここから生きる私たちの行動によって、全うしたい。
 
 

日本の原発コスト一覧
  • 安全対策
              3.3兆
 
  • 事故処理=賠償+除染+事故廃炉(シェルター建設 + シェルター運営)+ メルトダウン核燃料廃棄
              879兆 = 8兆 + 7兆 + (624兆 + 240兆) + ?
 
  • 安全廃炉=解体+核廃棄物保管(オンカロ建設 + オンカロ運営)
              336.1兆 = 6.1兆 + 330兆 
 
  総計: 1218.4兆円

前回を読む:持続できない原発(3)【オンカロ】
 
全シリーズ:持続できない原発(1)~(4)
[1]   [2]   [3]   [4]
 
同じテーマを読む:環境

Comments are closed.
    ENG/JPN Posted Alternately
    日本語/英語を交互に掲載

    Author プロフィール

    JOE KIM
    Retired from business at age 34. Now, an active supporter of inclusive initiatives globally.
    Actions to date here.


    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
    ​これまでの主な活動はこちら。

    Theme ​テーマ

    All
    ALL ENGLISH BLOG
    ALL日本語ブログ
    Discrimination
    Environment
    Family
    Inclusive Diversity
    Inheritance
    Morality
    On-site Report
    Perspective
    Violence/Peace
    ある視点
    倫理観
    多様性/インクルーシブ
    家族
    差別
    暴力/平和
    現場ルポ
    環境
    相続

    Archives 記事一覧

    Visits ​アクセス

    15,384 (as of 4/1/2026)

    RSS Feed

    画像
    Picture
    写真
    写真
    Picture
    写真
    画像
    画像
    画像
    画像
    画像
    画像
    写真
    画像
    画像
    写真
    写真
    画像
    写真
© COPYRIGHT ALL RIGHTS RESERVED.