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#93: 寝た子を起こす(第2回)

2/25/2023

 
【結果オーライはモロい】
「何も知らない子どもたちに、差別の心を持たない純粋な子どもに、かえって差別を教えるようなもの。」
 
この理論には、大いに反論の余地があります。先ず、「何も知らなければ、差別はしない」という前提でなければ、この理論は成り立ちません。
 
もちろん、何も知らなかったし、差別も起こらなかったケースはあるでしょう。偶然に、そうなることはある。
 
けれども、それでは「結果オーライ」になってしまいます。「結果が良かったので、いいじゃないか」と思いたい気持ちはやまやまですが、そこには、「なぜ良い結果になったのか、その理由が分かっていない」モロさがついて回ります。
 
そうすると、次回、また同じ状況になった場合。また「良い結果」を導き出せるのか、どうか、分かりません。良い結果になることを、偶然に任せてしまうモロさともいえるでしょう。
 
「差別」という、とても大きな問題を捉えたならば。そして何よりも、差別により苦しめられている人たちの気持ちに寄り添ったならば、差別をなくすことを、偶然に任せる訳にはいきません。
 
なぜ差別がいけないのか。その本質的な理由は、本人になんら選択の余地のない生まれながらの特徴によって、理不尽な除外や拒否を受け、傷つけられるから。

病気・障害・人種・民族・出身・家庭環境・性別・性的指向などは、生まれながらにして選ぶことができない。
 
生まれつき体が不自由だった。マイノリティとして、この世に生まれた。

貧困に苦しむ家庭に、たまたま生まれてしまった。虐待を繰り返す両親の元で、たまたま育ってしまった。

​生まれて間もなく孤児になった。生まれながらにして、体の性と心の性が一致しない。など。
 
それらをもってして「迷惑だ」と捉えられたり、偏見を抱かれて、差別を受ける。それは、例えどのような理屈をこねようとも「仕方のないこと」ではなく、あってはならないのです。
 
そのような差別をなくすことは、私たち一人ひとりの責任です。
 
「寝た子を起こさない」と言っては「語らない方が良い」、「触れない方が無難だ」と。ややもすれば目を背けようとしては、差別をなくすことを偶然に任せてしまっては、その責任を果たしているとはいえません。
 
「何も知らなければ、差別はしない」という前提は、余りにもモロい。「何も知らない」ということは、「無知」ということでもあるからです。
 
むしろ、「何も知らなければ、差別は繰り返されてしまう」という危険性を認識し、子どもたちと「なぜ差別がいけないのか」をテーマに話し合うこと。
 
それが、私たち一人ひとりの責任なのです。


続きを読む:寝た子を起こす(3)【学びは余計なこと?】
前回を読む:寝た子を起こす(1)【差別を教えるようなもの?】
 
全シリーズ:寝た子を起こす(1)~(5)
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同じテーマを読む:差別

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    JOE KIM
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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