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#12: 戦争は回避できる(第4回)

6/26/2017

 
【解決策2:権限と体制】
二つ目の大枠は、国連に世界の警察として「戦争をなくす権限と体制」を与える方法です。
 
現在、機能不全に陥りつつある国連に、発足時の目的にしっかりと沿うよう、そのために必要な権限と体制を与えること。第一次世界大戦にて、近代戦争の凄まじい破壊力に直面して、国際社会は国連を創り、国際的に戦争を押さえ込むことに挑みました。

世界が国連を発足させたそもそもの理由は、国連が世界の警察として働き、戦争をなくすことでした。

 
けれども現在において、ほとんどの大国は、世界の警察として「戦争をなくす権限と体制」を、国連に委ねる気がないと言えるでしょう。それぞれが、自国の主張を押し通したいからでしょうか。
 

アメリカによるイラク戦争が、その典型例と言えます。2003年に国連安全保障理事会にて、アメリカはイラク攻撃に関する決議採択を求めました。イギリスや日本と共に決議賛成の説得を試みましたが、失敗に終わります。国連に世界の警察として「戦争をなくす権限と体制」が備わっていれば、これでイラク戦争は回避できたのです。ここで戦争を回避することこそが、国連発足時のそもそもの目的だったはずなのです。
 
しかし、後一歩のところで、戦争は回避できませんでした。国連が「戦争をなくす権限と体制」を与えられていないからです。世界の大国が「自国ファースト」によって、それらを国連に移譲しないのです。その結果、アメリカとイギリスは国連発足時の目的を無視して、決議なしでの攻撃に踏み切ったのです。
 
「イラクは大量破壊兵器を保有しているので、もはや待ったなしの状況だ。世界の安全のための戦争だ」とアメリカはプロパガンダの如く、強く主張しました。ちょうど、今の北朝鮮に対する主張と似ているのではないでしょうか。
 
しかし、イラクに戦争を仕掛けたものの、大量破壊兵器はなく、無実の人々を苦しめ、殺し、憎しみをたくさん生みました。そして、その憎しみの一部が、イラク戦争の混乱期における数々のテロ行為から、ISISなどのテロリストグループを生む切っ掛けを造ったのです。「世界の安全のため」と主張したこの戦争により、結果的に、世界をもっと危険にしたと言えるでしょう。
 
「戦争という名の大量殺りく」により、持続する世界の平和は得られない。イラク戦争も、その無数にある事例の一つです。
 
それでも尚、また繰り返し戦争や暴力的行為によって、平和を得るようなことを私たちは主張し続けるのでしょうか。一体この負の連鎖をいつまで続ければ、正当性のない行動により、持続する正義を得ることはできないことに、私たちは真剣に向き合うのでしょうか。
 
国連が与えられるべき、世界の警察として「戦争をなくす権限と体制」とは、具体的にどういうことでしょう。それは、紛争解決のために必要な武力やあらゆる権限を、世界の国々が国連へ移譲して、国連が常設部隊を保有し、機動的に動けるようすること。
 
現在は、国家が自国の安全を守るため、国ごとに武力行使を決定するシステムです。そのような、国々がバラバラに、それぞれの勝手な都合を主張して武力行使を決定するから、戦争を起こし続けているのです。それなので、国ごとではないシステムを目指す。
 
世界各国が、核兵器を含む武器と武力を国連に移譲すること。そうすれば国連が、戦争をなくす包括的な権限を与えられ、唯一の紛争解決の常設部隊を備え、武力は国連のみ保有し、国家は武力を持つ必要がほぼなくなります。

国家が持ったとしても、飛んできたミサイルを打ち落とすためのミサイル防衛システムなど、自国に放たれた武器を打ち落とすような防衛システムくらいでしょう。仮に、国家が隠れて武力を保持するようなことがあれば、やはり国連がその違反している国と対処する。それができる常設部隊と、戦争をなくすためのあらゆる権限を、国連が世界各国から与えられるのです。
 
国連による戦争をなくすための紛争解決は、世界中の人々が有権者となり、一人一票における過半数の票で方針を決める。投票は国単位ではなく、人単位。当然、拒否権を持つ特別な国や人はいない。国連総会にて1948年に採択された「世界人権宣言」による、人間皆平等の立場をとる。
 
          すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて
​          平等である。(世界人権宣言第1条)
 
更に、多数派(マジョリティ)が少数派(マイノリティ)を弾圧することがないよう、独立した人権保護機関による監視が必要です。マジョリティが決定するシステムである現在の民主主義と比べて、より公正で公平なシステムが構築できるまで、このような仕組みが有効なのではないでしょうか。
 
そして、国連が、紛争の当事者である国家と交渉する。現在の北朝鮮との戦争を避けるには、病んだ国を追い詰めないこと。北朝鮮の場合、現政権を維持することが国家の最大の優先事項のため、それを達成する道具として、武力や核兵器が必要だと考えているようです。そこで、例えば、現政権は残っても良い、国連がそれを保証する。それが北朝鮮政権の目的なので、その目的を保証しなければ、やはり解決できないであろうからです。
 
その国の政権は、その国が決めること。これは、「国家」という必ずしも優れているとは言えない人為的な線引きシステムを保持するうえでは、尊重されるべき権利だからです。ただし、武器や武力、戦争をなくすためのあらゆる権限を、北朝鮮も世界各国と同じように、国連に移譲すること。そして、貧困にあえぐ自国民に物資を支給し、人々の基本的人権の保護に努めることを、国連と共に進めるのです。
 
現政権の維持を保証することは、相当な譲歩をすることにはなります。しかし、それによって、北朝鮮の無実の人々に、今よりも尊厳の守られた人間らしい暮らしが提供できるのではないでしょうか。また、戦争を回避することができるのではないでしょうか。現政権の2大問題である、基本的人権の侵害と戦争の危機を、改善し回避することができるのではないでしょうか。
 
そして、いずれ、北朝鮮の国民がより豊かになって、自らの力で政権を交代することを、平和的に促す切っ掛けを築くことができるのではないでしょうか。少なくとも、今のアメリカ・韓国・日本を含めた国際的な威圧・挑発合戦よりは、平和的な紛争解決ができるのではないでしょうか。
 
国連に世界の警察として「戦争をなくす権限と体制」を与える。一気にできなくとも、その方向で進むことができれば、現在では一向に進まない世界各国の軍備縮小や核兵器の廃絶なども、進展しやすくなるのではないでしょうか。

今は、「あっちがやらないとこっちが危険になるから、縮小できないのは仕方がない」ということで、みんな「あっちが先にやってから」と押し付け合っていて、進まない。ある意味、幼児のいざこざのようで、進展しないのは当然と言えます。
 
結局、みんなが同時にやらないといけないのです。少なくとも、大国と呼ばれる国々が、世界をリードする自覚を持ち、一斉にやらないと進まない。現在のように、世界各国が武器や武力を持っているのに、「北朝鮮は放棄せよ」と言っても、放棄するはずがありません。「自国ファースト」を主張する大国の姿勢と行動を、北朝鮮も模倣しているとも言えるでしょう。
 
これは、北朝鮮との問題に限ったことではありません。近年におけるイラク戦争やISISなどのテロリストグループとの戦いもそうです。数千年にもおよぶ、人間による戦争の歴史に共通する、普遍的なことなのではないでしょうか。
 
数千年も、人は戦争をしては、その惨劇を目の当たりにして、「こんなことになるとは思わなかった」と嘆いてきました。被害は起こしてしまったら、もう取り返しがつきませんでした。そして、その恨みからまた攻撃をしました。攻撃された方も、憎しみから攻撃をやめませんでした。暴力的行為には、本当の意味での終わりはありませんでした。戦争には短期的な勝利はあっても、根本的な解決はありませんでした。「この戦争は、相手が挑発したから仕方がなかった」とお互いが主張し合いました。

このようなことを、人間は、
数千年も続けています。
 
もちろん、数千年も続けたのは、今ここに生きる私たちではありません。それは、紛れもなく過去の人たちです。しかし、今ここに生きる私たちも、消極的であろうが消去法と呼んでみようが、「着々と、計画的に、明確な意思をもって、戦争ができる態勢を選択している」のならば、数千年も続けた過去の人たちから途切れることなく、戦争の歴史を承継していることになるのです。
 
一時的な平和によりさえぎられる、戦争の歴史。この固定化された連鎖を断たなければ、今ここに生きる私たちも、過去の人たちと同じようなことを繰り返すのみになってしまいます。
 
ほとんどの戦争が、とっさの正当防衛のために起こる訳ではなく、我々には考える時間があります。その考える時間で、「どうすれば、戦争を回避できるのか」を考え、実行したいものです。法律と投票用紙に変更を加えることにより、国会議員と国民の戦争責任を明確にすること。国連に世界の警察として「戦争をなくす権限と体制」を与えること。ここで考えたこれら二つの大枠も、その例です。
 
少しづつでも良いのです、その方向で進むのならば。戦争の歴史が数千年ならば、「次の数千年をかけて」というつもりで、じっくりと腰を据えてやるくらいの気持ちで、平和的に根本解決を模索しても良いのではないでしょうか。
 
時間はかかるでしょう、世代単位で。なぜなら、これには、今ここから生きる私たち一人ひとりのモラルの向上が必要だからです。モラルの向上には、手っ取り早い方法はありません。米国前大統領であるバラク・オバマが、同国現役大統領として初めて広島を訪問した時に残した言葉は、核兵器を手放せないでいるアメリカも遥かに到達できていない「モラル革命を望みたい」でした。
 
今ここから生きる私たちが、過去の人たちと同じようなことを繰り返すのみにならないためにも、前に進みたい。そして、次の世代に繋ぎたい。
 
「最終的に人間として、殺りくを許容して自分の良心が破壊されたまま、ただ生きながらえることに、固執することはない。なぜなら、自分たちの目の前で起こらなくとも、他者が苦しんだり、死んでもいいのだと、自分の愛する人たちをどうしても説得できないからです。たとえ、自分や自分の愛する人たちが助かるためだとしても。」
 
大多数の人がそう思えたなら、皆が知恵をしぼって、戦争を回避することが出来るのではないでしょうか。正当性のある行動により、持続する正義を得ることが出来るのではないでしょうか。そうなれば、戦争によって苦しんだり、死んだり、犠牲になったり、煮えたぎる憎悪を世代をまたいで受け継いだりすることがなくなります。逆説的で、途方もないことのようにも聞こえますが、今の世の中にも、このような考えを抱いている人たちは、既に少なからずいるのです。
 
ひとりの人間として、自らの命を賭けて、人殺しを回避することこそが、戦争を回避することなのではないでしょうか。
 
私たちは、一人ひとり、前に進むことが出来ます。誰にもそれは止められません。自分自身で決めることが出来るのです。そこに、「戦争は回避できる」という希望が見えるのです。


前回を読む:戦争は回避できる(3)【解決策1:責任ある投票】

全シリーズ:戦争は回避できる(1)~(4)
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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