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101: 自宅を支援の現場にする(2)

11/10/2023

 
【よそでやって】
見知らぬ他者であっても、様ざまな事情を抱え必要としている人たちを、自分にとって最もやすらげる空間へ迎え入れることは、実はとても大切なのです。
 
それは、アメリカにおける低所得者向け住宅の実情をみても、理解することができるでしょう。
 
ホームレス・難民になっている人たちが、街中の至る所にテントを張り巡らせたり、路上や車上で生活をする風景を見かける昨今。そのような状況に陥っている人たちの多くが、虐待・暴力・貧困など、生まれながらにして困難な境遇で育ち、生活や教育の基本を得る機会に恵まれなかったのです。
 
しかも、仕事に就いていても、所得が家賃の高騰に追いつかないこと数十年。現在のアメリカにおいて、低所得者向け住宅は7百万戸超も不足しているほど。
 
それでも驚くのは、寄付・ボランティア・補助金などの支援により、生活に困窮している人たちへ住まいの提供を、アメリカ史上において最もできているのも、現在なのです。
 
幸い、増税を受け入れてでも低所得者向け住宅を建設することに、リベラルな有権者たちであるほど投票によって賛成多数を示し、実際に複数の州や市で建設が計画されています。まだまだ足りないとはいえ、人びとの温かい気持ちと行動に、とても希望を感じます。
 
けれども、更なるハードルはその後もあります。
 
賛成多数で身を削る増税まで受け入れたものの、いざ低所得者向け住宅の建設地を絞り込む段階になると、それら候補地の近隣に住む多くの住民から「自分たちのまち・近隣の治安が悪化するのは困る」との反対意見が噴出。「どこか、よそでやってほしい」と、建設計画がとん挫してしまうことがよくある。
 
多くの人たちは、これを「総論賛成・各論反対」で片づけてしまうのかも知れません。
 
それは、世界人権宣言の「すべての人間は、生まれながらにして尊厳と権利とについて平等である」とする「総論」には大いに賛同。けれども、いざ自分たちのまちにホームレス・難民の人たちなど、困窮する見知らぬ他者がやってくるとなると「話は別だ」となってしまい、「各論」には残念ながら賛同しかねる。
 
そのような心境から、多くの人たちが「自分たちのまち・近隣以外ならば賛成」と言う。そう押し付け合い続けることで、予算や施工業者の準備は整っているものの、迎え入れてくれる場所が見つからず、低所得者向け住宅の建設が結果的に進まない。
 
次回は、この考察を「自宅へ迎え入れる大切さ」につなげてみたいと思います。


続きを読む:自宅を支援の現場にする(3)【うちで住みますか?】
前回を読む:自宅を支援の現場にする(1)【その理由】
 
全シリーズ:自宅を支援の現場にする(1)~(3)
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同じテーマを読む:現場ルポ

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    JOE KIM
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    34歳でビジネスから引退。現在は、インクルーシブな支援活動家。
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